僕の所属する生物学科では英語で書かれた論文を読む機会が多いです。数学や物理学と比べたら、生物学がまだ若い学問で、新しいことが次々とわかっているからかもしれません。
論文を読むためには英語は必要です。
しかしそれだけでは不十分で、英語以外の力も必要です。
今回は論文を読むために必要な力についてまとめてみようと思います。
もし大学で生物学を学びたけど英語力はどれくらい必要なのか疑問に思っている方がいたら、この記事を参考にしていただけるとうれしいです。
論文を読むために必要な力
高校レベルの英語読解力
英語論文を読む場合も基礎になるのは英語の読解力です。そのため基本的な英語能力は重要です。
このような知識は高校でも習いますが大学の教養科目の英語でも復習します。
僕の大学は教養科目の必修科目に２つの英語科目がありました。TOEICの対策の授業とアカデミック・ライティングの授業です。
TOEICの対策の授業はよくわからないTOEICの教材を買わされ、授業で解説するというものでした。外国人の先生に文法から習っていたのですが、正直言ってAmazonで売れている教材を買って自分で勉強した方が身になります笑 授業自体はあまりためになった気がしませんが、TOEICを勉強するきっかけになったのでよかったです。
もう１つのアカデミック・ライティングの授業は論理的な文章構成の仕方について学ぶ授業でした。こちらもアウトプット中心の授業だったため、英語力がメキメキ伸びたという感じではなかったです。しかし英語に限らず、論理的な文章構成のスキルは大学の授業のレポートを書くときに必要となるものだったのでとても役に立ちました。
これらの授業を受けたら英語力が伸びるのかというと、そんなことはないと思いますが（問題集を買ってときまくった方が効率的です）、専門的な英語の前に基本的な英語能力を確認することはできました。これが論文を読むためには重要です。
実は論文を読む時に必要となる英語力はそれほど高くはありません。
高校で学んだ時制や能動態・受動態、文構造の理解（SVOCなど）というような英語力でも論文は読めちゃいます。
忍耐力
忍耐力。これが一番重要かもしれません。
論文は長いので忍耐力が必要です。
論文は研究室に配属されてから読むというイメージを持っている人もいると思いますが、僕は大学3年生の前期の授業で初めて専門の論文を読みました。そのときは、とてもとても長く感じました。
使われている文法自体はそれほど難しくないですが、専門知識でつまずきました。
わからない専門用語はたくさんでできますし、初めてきく実験法もありました。
専門知識は授業で習うものだけでは不十分でした。
しかし授業の内容をちゃんと理解していればちょっとネットで検索すればわかることがほとんどです。
読んで、わからないことがあったら調べるという作業をなんどもなんども繰り返しました。
この作業を繰り返していける折れない心が、論文を読み進めていくためには必要です。
構成を理解する力
論文には決まった構成があります。
- 要約
- イントロ（背景）
- 実験結果
- 考察
- 方法
順番は雑誌によって多少入れ替わったりしますがこんな感じです。
科学論文は決まった構成に乗っ取って書かれています。結果を考察に書いたり、背景に結果を書いたりしません。
これを理解すると論文がとても読みやすくなります。次にどんな展開になるかわかっていると文章の中で迷子になりにくいです。
また論文の中で一番重要なところは要約の部分です。ここはその論文全体の論文が書いてあり、一番肝になりところです。ここをしっかり理解しておけば、本文の部分を読み進めることがとても楽になります。
注意した方がいいのが考察の部分です。ここには結果からわかったことから考えられることが書かれます。考察は重要なことから順番に書かれていきます。なので考察の最後の方は弱い主張も書かれることがあります。
100%その論文を理解しなければいけないなら最後の考察まで読んだ方がいいですが、そうでなければ考察は重要そうなところだけを読んでおしまいにしてしまうというのもありだと思います。
論文のほかにも研究で英語を使う機会は多い
4年生になって研究室に配属されると論文を読む以外にも英語をよく使うようになります。
データベースは英語で書かれていますし、実験キットのマニュアルが英語の場合も多いです。ここで求められる能力のほとんどが論文を読むために用いたリーデングの能力です。
英語を様々な場面で使うと聞いて怖気付いてしまうかもしれませんが、その必要はありません。
論文１本読めたら怖いものなしです。
なぜなら論文が最大の敵だからです。論文は理解するのが大変ですし、一本読むのにも結構時間がかかります。
ここで鍛えた忍耐力さえあれば大丈夫です。
まとめ
論文を読むために必要だった力は上にあげた通りです。
高校までの英語がマスター出来れば、論文を読むことを不安に感じる必要はないと思います。
論文を読むためには英語以外にも、忍耐力や構成を構成を理解する力などが必要です。
コメント