生物学は胡散臭い?そう感じてしまう3つの理由

生物学

「生物学は胡散臭い」とよく言われています。

しかし、生物学はれっきとした科学の一分野です

そうは言っても物理や化学、数学といった科学の他の分野に比べて信憑性がないと感じてしまう人は多いと思います。

胡散臭く感じてしまう理由はいろいろありますが、今回は3つ紹介しようと思います。

  • 生命が定義されていないから
  • 複雑系が多いから
  • 進化には再現性がないから

順番に見ていきましょう。

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生物学が胡散臭く感じてしまう3つの理由

理由その1:生命が定義されていないから

胡散臭く感じてしまう一番の理由は生命の定義が存在しないからです。

定義とは、これがあれば間違いなく〇〇だ!と言えるもののことです。

生命にはたくさんの性質があります。例えば細胞からなった体を持つことや環境に反応すること、自己複製すること(生殖すること)、進化することなどがあります。

しかしこれらはあくまで生命の性質です。生命はこういうものと私たちが考えているものはどんな性質を持っているのか並べただけであって、これがあれば間違いなく生命だ!と言えるものでもないのです。

例えば自己複製することを生命の定義としてみましょう。すると、コンピューターウイルスも自らのファイルを複製するので生命の定義に当てはまります。つまりコンピューターウイルスは生命であるいうことになってしまいます。

でもこれは感覚的に違いますよね。

コンピューターウイルスは自己複製はしますが、細胞という実態は持ちません。

このように生き物をどう定義するのかという問題はとても難しく、いまだに未解決の問題なのです。

理由その2:複雑系が多いから

生物は複雑系です。単純ではありません。

APC/Cという物質を例に考えてみましょう。APC/Cは細胞分裂を進める役割を持ったタンパク質複合体で、適切な時期に細胞分裂のストッパーの役割をもつタンパク質を分解へ誘導します。ストッパーがなくなると細胞は分裂に向かっていきます。

APC/Cは11個のサブユニットからなるとても大きな複合体です。まだ個々のサブユニットの機能には分かっていないものもありますが、それぞれ機能を持っていて複雑な制御を受けています。

ヘモグロビンも機能するときは4つのサブユニットからなる複合体ですし、タンパク質分解に関わるプロテアソームはかなり巨大な複合体を形成します。

このようにいくつものタンパク質が結合して複合体をつくり機能を持っている場合はたくさんあります。

細胞の中で働くタンパク質だけをみてもかなり複雑だということがわかります。

タンパク質もこんな感じに複雑な関係を持っている

理由その3:進化は偶然起こるから

進化は偶然の産物です。過去に起こった進化の再現性はありません。

哺乳類からヒトが進化してきたのも偶然です。なぜなら進化の原因である突然変異やゲノムの重複は低確率で偶然起きるからです。

ある生き物を2つのグループにわけ、100万世代飼ったとき、そこで起こった進化は一致するとは限りません。ほとんどの場合、それぞれのグループは違う進化の道筋をたどるでしょう。

科学において再現性はとても大切です。だれがいつやっても同じ結果になることは客観的事実であることを保証します。

進化はこれを満たすことはできません。

再現性がないので進化って本当に起きているのかという疑問を持つ人がいます。

しかし化石記録をたどればから祖先からどのように体の形が変わったのかはわかります。遺伝子のデータを集めればそれが進化のプロセスによって少しずつ変わってきたのかが明らかになります。やはり進化は確実に起こっています

なかなか難しい問題です。

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脱・胡散臭さ:生物学の取り組み

ここまでうさんくさく感じてしまう理由を紹介しました。

これらはあくまで僕の考えた理由なので、これらとは別の理由で胡散臭く感じている人もいるかもしれません。

実際、生物学者たちは胡散臭さを解消しようと頑張ってきました。ここからは胡散臭さを解消するべく現代の生物学が取り組んできたことを紹介しようと思います。

まずあげられるのは数学を取り入れたことです。

生物学は数学を使わないと思っている人が多いのですが、意外と数学を使ってます。

遺伝学者であったフィッシャーは統計の手法を多く打ち出していて統計学を大きく発展させました。

数式を用いて生き物を理解しようとする分野も発達してきました。数理生物学という分野です。生き物の模様の作り方や個体数の変化など様々な現象が数式によって表せることがわかってきました。

また近年発展が著しい分子生物学は、神秘的にとらえられがちな生命現象を分子という実態のあるものを用いて説明してきました。

こうした取り組みによって、どんどん神秘に包まれていた生命の本質がわかってきました。

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まとめ

生物学が胡散臭く感じられてしまう理由は、

  • 生命が定義されていないから
  • 複雑系が多いから
  • 進化には再現性がないから

胡散臭さはあっても生物学は科学の一分野です。

生き物には、まだまだ人類の知らない面白いことがたくさん隠されているはずです。

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