遺伝子とは何か?遺伝子はどうやって情報を記録するの?

生物学

遺伝子という言葉は良く耳にします。遺伝子組替えや病気をひき起こす遺伝子などニュースになることもあります。最近では自分の遺伝子を検査できるキットも売り出されています。

遺伝子に関わる話題は意外に多いですが、難しい言葉も多いため、ニュースを聞いてもなんとなくしかわからないということは多いのではないでしょうか。

今回は遺伝子とはなにかということについて基礎的なところから詳しく解説していこうと思います。

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遺伝子とはなにか

遺伝子とは遺伝情報を持ったDNAのことです

子どもは親と全く同じではありませんが、なんとなく似ています。この現象を遺伝といいます。実際に親から子に受け渡されたものが遺伝子です

DNAは化学物質の名前です。DNAにはいくつか種類があります。DNAの構造の中の塩基の部分に違いによってアデニン、チミン、グアニン、シトシンの4つに分けられます。それぞれ英語表記の頭文字からA, T, G, Cと書かれることも多いです。

DNAはこの4つの塩基の並び(配列)によって情報を生み出しています。

DNAは遺伝情報の記録媒体なのです。

遺伝子はDNAの塩基配列によって情報を記録している?!

これはちょっと理解しづらいので具体例を出して考えてみましょう。

例えば親子丼の材料について考えてみましょう。親子丼の材料は「鶏肉、玉ねぎ、卵」とします。

この情報を残すには色々な方法があります。ノートに記録したり、スマートホンにメモすることもできますが、今回はひらがなの書かれたカードを並べることでこの情報を記録することをイメージしてみてください。

このとき情報を載せているのは文字です。

日本語では、「鶏肉、玉ねぎ、卵」というように50音(濁音などがあるので実際はもう少し多いです)の並び方で表されます。もし英語でこれを表現しようとすれば、"chicken, onion, egg"26文字のアルファベットの並べ方によって表すことができます。

これが遺伝情報になると、4文字の塩基によってあらわされているのです。塩基の種類はたった4つしかありませんが、ちゃんと意味がある情報を伝えています。

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遺伝子が伝えている情報

遺伝子の実態がDNAによって書かれた情報だということは先ほどお話しました。

ではどんな情報が遺伝子に書かれているのでしょうか?

遺伝子にはタンパク質の情報が書かれています。

正確にはタンパク質を作っているアミノ酸配列の情報が書かれており、アミノ酸をどのような順番でつなげれば特定のアミノ酸になるのかということが記録されています。

タンパク質は生き物を形作ったり生命を維持していくために必要なものです

消化するために必要なアミラーゼやペプシンのような消化酵素もタンパク質ですし、酸素を身体中に運ぶヘモグロビンもタンパク質の1つです。またDNAに結合できるタンパク質も存在していて、遺伝子からタンパク質が作られることをコントロールすることもできます(このようなタンパク質を転写因子と言います)。

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タンパク質の情報を持たない遺伝子

今まではタンパク質の情報を持った遺伝子の話をしてきました。

でも実は、遺伝子にはタンパク質の情報を持っていないものも多く存在します(non-cording DNAと呼ばれています)。

ヒトのゲノムの中にある遺伝子のうちタンパク質の情報を持ったものは1%ほどと考えられています。意外にもタンパク質の設計図となる遺伝子は少ないのです。

タンパク質の情報を持っていない遺伝子はまだ何をしているのかわかっていないものも多いですが、他の遺伝子の働きを調節していると言われています。

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まとめ

遺伝子は遺伝情報を持ったDNAのことです。
遺伝情報はDNAの塩基配列で記録されています。
遺伝子はタンパク質の設計図の役割を持っています。
ただしそのようなタンパク質の情報を記録した遺伝子はゲノムの中には意外に少ないことがわかってきました。

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参考文献

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