ダーウィンの進化論をわかりやすく解説!

生物学

進化と言えばダーウィンというほど、ダーウィンは偉大な人物です。しかし結局ダーウィンの唱えた進化論って何だろうと思っている人も多いのではないでしょうか。今回はダーウィンの進化論をわかりやすく解説します!

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ポイントは適応と自然選択

ダーウィンの進化論では、「生き物は自然選択によって環境に適応するように進化する」と考えます。

この理論のポイントは「適応」と「自然選択」の2つです。順番に見ていきましょう。

適応とは?

適応とは生き物が環境に適した姿形になっていることです。ダーウィンはガラパゴス諸島にいるフィンチという鳥を適応の例として紹介しています。

ガラパゴスのフィンチは食べるものによっていろいろな種に分かれています。

その中の一種のムシクイフィンチは木の幹にもぐっている芋虫をぼじくりだして食べます。ムシクイフィンチのくちばしは細くとがっています。

この形は、木の幹から幼虫を引っ張り出すのに向いています。

なのでムシクイフィンチはくちばしが食べ物に適応していると言えます。

自然選択とは?

なぜ生き物は環境に適応しているのでしょうか?
なぜムシクイフィンチのくちばしは芋虫を食べるのに適する形なのでしょうか?

この疑問に対してダーウィンが出した答えが自然選択による進化です。自然選択によって環境に適応したものが選抜されていくと考えました。

自然選択は以下の2つの条件がそろえば自動的に(自然に)起こる現象です。

  • 遺伝的形質によって生存や生殖に有利不利が生まれるということ。
  • 環境が支えることができる数よりも多くの個体が生まれること。

環境に適応する形質が遺伝しなければ、適応する能力は次の世代に受け継ぐことができません。遺伝子によって生き残りやすさや子孫の数が影響を受ける必要があります。

また選択は選ぶ数よりもたくさんの選択肢が必要になります。かわいそうな話ですが、自然選択が起こるには選ばれずに死んでいく個体が生まれてくる必要があります。

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フィンチはどうやって進化したのか?

Photo by Dušan Smetana on Unsplash

適応と自然選択がわかったところで先ほどのフィンチの例をこの2つで説明してみましょう。

フィンチのくちばしの形や大きさが様々ですが、これはそれぞれの個体が持っている遺伝子によって決まっています。くちばしが長い個体はくちばしを長くする遺伝子をもち、くちばしが太い個体はくちばしを太くする遺伝子を持っています。

フィンチの集団がいたとして、その集団が芋虫を食べる集団だったとしましょう。芋虫は木の幹に隠れているので探してつまみ出すにはくちばしは細く鋭い方が有利です。

ここで自然選択が働きます。そのため細く鋭いくちばしをつくる個体が生き残りやすくなります。

生き残った個体が子どもを作り、芋虫を捕まえやすいくちばしの形が遺伝していきます。

そうすることで、親から子どもへ世代がうつっていくごとに集団にいるフィンチのくちばしはどんどん芋虫を捕まえやすい形になっていきます。

最終的には芋虫を捕まえやすいくちばしに進化します。これが適応です。

フィンチにはムシクイフィンチの他に、サボテンフィンチやオオガラパゴスフィンチがいます。

サボテンフィンチのくちばしはサボテンの花や果実を食べやすいように長く鋭くなっていて、オオガラパゴスフィンチでは硬い種を割りやすい大きなくちばしになっています。

それぞれのくちばしも環境に適応するように進化しています。

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ダーウィンの功績

ダーウィンの唱えた進化論は生物学の中の大きな業績のうちの1つです。

しかしダーウィンが生まれた1809年にはすでに生き物が進化するという考えが生まれ始めていました。古い地層から出てきた化石が今生きている生き物とは異なっていることはわかっていました。つまり進化という概念自体はダーウィン以前から生まれていました

またどうやって生き物が進化するかについては、ラマルクが「キリンの首が長いのは何世代も頑張って首を伸ばして高い木の葉を食べていたからだ」と唱えていました。

ではダーウィンの最大の業績はなんだったのでしょうか?

それは進化の原因として自然選択を見つけたことです。ラマルクの唱えていた進化の原因は獲得形質の遺伝でした。先ほど紹介したキリンの首の例にもありましたが、個体が頑張ったことが子どもに受け継がれるということです。

しかしこれは間違っています。どんなに頑張ったってそれが子孫に伝わることはありません。筋トレを頑張ってマッチョになっても生まれてくる子どもがマッチョになることはありませんよね?それと同じことです。

首が長いと高い木の葉まで食べることができ、生き残りやすかったため、首が長いキリンだけが生き残ったというのが正しい進化の道筋です。

このような自然選択による進化のメカニズムを提唱したことがダーウィンの大きな業績です。

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ダーウィン以後の進化論

ダーウィンは進化の原因として自然選択を見つけました。しかし自然選択だけが進化の要因ではありません。自然選択の他に進化の要因として考えられているものはあります。いくつか紹介しておきます。

突然変異

自然選択によって進化が起こるには個体ごとにちょっとずつ変わった特徴を持っている必要があります。

みんな同じ特徴ではみんな等しく生き残りみんな等しく子孫を残してしまうからです。

このちょっとずつ変わった特徴(変異)を作っているのが突然変異という現象です。

突然変異は遺伝情報を記録しているDNAに起こります。進化の出発点はDNAというミクロの世界なのです。

遺伝的浮動

自然選択は変異が有利か不利かによって生き物を進化させますが、運によって進化することもあります。これは遺伝的浮動と呼ばれています。個体数がとても小さくなった時に強く働く進化の原因です。

例えば嵐がやってきて、森のリスたちがたくさん死んでしまったとしましょう。その結果リスが10匹しか残らなかった場合、もともとたくさんのリスが持っていた遺伝子もなくなってしまうことがあります。亡くならないまでも遺伝子の割合は大きく変化します。

ちょっとわかりにくいのでコインを投げることをイメージしてみてください。コインを投げて表が出る確率は50%、裏が出る確率も50%です。しかし4回コインを投げる時、確実に2回が表になるとは限りません。4回表が出ること(表が100%)もあれば、1回も表が出ないこと(表が0%)もあります。このように回数が少ないと本当の割合から大きく離れた割合になることが多くあります。進化においてこの影響を遺伝的浮動と言います。

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まとめ

今回はダーウィンの進化論についてまとめてみました。生き物が環境に適応しているのは自然選択によって遺伝子が選抜してきたからです。
自然選択は進化を語る上でとても大切な原因です。しかしそれ以外にも生き物が進化するには突然変異や遺伝的浮動が関わっています。

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